2025.08.05 自律神経失調症
天気が悪いと頭が痛い…それ、「気象病」かもしれません。
こんにちは。岡崎ゆうあいクリニックの小林です。
「天気が悪いと頭痛がする」「雨が降る前は体が重い」「季節の変わり目に気分が落ち込む」……そんな声を日々、外来でもよく耳にします。こうした気象の変化に伴って起こる体や心の不調を、私たちは「気象病」と呼びます。
これまで「気のせい」とされがちだったこの症状ですが、最近では医学的な研究が進み、科学的な裏付けが増えてきました。実際、気象病は決して珍しいものではなく、日本では5人に1人が何らかの不調を感じているといわれています。
今回は、最新の海外論文も紹介しながら、気象病のメカニズムや予防法についてわかりやすく解説していきます。

最新の研究:気圧と痛み感受性の関係
2023年にドイツ・ハイデルベルク大学の研究チームが発表した論文(Journal of Pain, 2023)では、「気圧の変化が慢性的な頭痛や関節痛の悪化と関連している」ことが示されました。
研究では、片頭痛持ちの患者123名を対象に、1年間にわたり気圧と痛みの関連性を追跡。その結果、気圧が下がる前後に痛みが強くなる傾向があることが明らかになりました。特に気圧が1010hPa以下に低下すると、痛みの訴えが平均で35%増加するというデータも得られています。
この現象は「内耳の気圧センサー(前庭器官)」が関与していると考えられています。気圧の急な低下によって前庭神経が刺激され、自律神経のバランスが崩れることが、不調の大きな原因となっているのです。
自律神経がカギを握る
私たちの体は、交感神経と副交感神経という自律神経によって体温調節や血圧、消化、呼吸などを無意識にコントロールしています。ところが、天候の変化が激しい日にはこの自律神経が乱れやすくなります。
たとえば、急に冷え込んだ日は体が緊張しやすく、交感神経が優位になります。反対に、湿度が高くてムシムシする日は、副交感神経が過剰に働き、倦怠感や眠気につながることもあります。
このような自律神経の不調和が、「頭痛」「関節痛」「めまい」「吐き気」「不安感」「集中力の低下」といった症状を引き起こすことが、さまざまな研究で明らかになってきました。
女性に多いのはなぜ?
気象病は特に女性に多く見られることも知られています。これは、ホルモンバランスと自律神経の連動性が深く関係しているためです。
月経周期のある女性は、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの変動が大きく、これが自律神経に影響を与えやすいと考えられています。特に月経前や排卵期に不調を訴える女性は、気圧の変動にも敏感に反応しやすいのです。
また、ストレスや睡眠不足といった要因も、女性の気象病を悪化させるリスク要因とされています。
さらに、鉄欠乏性貧血により神経過敏状態に陥ると、気圧の変化による自律神経の乱れが起きやすいと考えられます。
季節の変わり目にも要注意
気象病が起こりやすいのは、梅雨や台風シーズンだけではありません。春から夏、夏から秋への季節の変わり目も大きな要因となります。
この時期は日ごとの気温差が大きくなり、1日の中でも朝晩と昼の気温差が10度以上になることも珍しくありません。こうした急激な環境変化に体がついていけず、体温調節機能やホルモンバランスが乱れてしまうのです。
気象病を予防するには?
では、気象病はどのように対策すればいいのでしょうか?以下のような方法が効果的です。
1. 規則正しい生活リズム
朝起きたら日光を浴び、決まった時間に食事と睡眠をとることで、自律神経を安定させることができます。
2. 軽い運動を継続する
ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの軽い有酸素運動は、自律神経のバランスを整え、気圧変動に強い体をつくる助けになります。
3. 耳のマッサージ
内耳の気圧センサーを刺激する**耳のマッサージ(耳ひっぱり)**は、自律神経を整えるセルフケアとしても有名です。
4. 気圧アプリの活用
「頭痛ーる」などのアプリを活用して気圧の変化を事前にチェックし、心と体の準備をしておくのも有効です。
気象病かな?と思ったら
気象病は、はっきりとした病名がつきにくいために「我慢するしかない」と思っている方も多いかもしれません。当院では、自律神経の状態を可視化する検査や、心身両面からのアプローチも行っております。なんとなく体調がすぐれないと感じる方、毎年同じ時期に不調が出る方は、一度ご相談いただければと思います。
気圧や気温差による不調でお悩みの方は、岡崎ゆうあいクリニックにご相談ください。
