2025.08.08 睡眠時無呼吸症候群
夜の一杯が睡眠を邪魔する?睡眠時無呼吸症候群とお酒のヒミツ
岡崎ゆうあいクリニックの小林です。
今回はお酒と睡眠時無呼吸症候群の関係についてお伝えします。
外来をしていると「お酒を飲むとよく眠れる気がする」と言う患者さんから相談を受けます。確かに、お酒には“眠気を誘う”働きがありますが、じつは「睡眠時無呼吸症候群」にとってはあまり好ましくありません。

どうしてお酒は睡眠時無呼吸症候群に良くないのか?
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お酒を飲むと、のどの筋肉が緩んでしまい、気道がふさがれやすくなります。その結果、呼吸がとまる「無呼吸状態」が起こりやすくなるのです。
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さらに、お酒は目覚めにくくしてしまう働きがあるため、無呼吸が起こっても気づきにくく、長時間続いてしまうこともあります。
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実際に、「お酒を飲む人は、睡眠時無呼吸症候群になるリスクが25%高い」とする研究もあります。
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あるメタ解析では、呼吸が止まる回数(AHI)が平均で約+3.98回/時間、そして血中酸素飽和度が平均で−2.72%も悪化していました。
お酒が睡眠の質にもたらす影響は?
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飲んだ直後は、深い睡眠(N3)が増えるかもしれませんが、その後は浅い睡眠(N1)が増えて目が覚めやすくなります。結果として、全体的な睡眠の質は下がってしまいます。
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お酒を寝る前に飲むと、翌朝すっきり起きられない、集中できない、という声が多いのもそのせいです。
日本人(韓国の研究)でもこんなデータが…
韓国で行われた調査では、中高年の方で高い睡眠時無呼吸症候群のリスクがある人は、生活の質(QOL)が低下していました。特に「お酒を飲む人」は、飲まない人に比べて1.24倍も生活の質が下がる傾向があったそうです。
◆最新の海外科学論文
CPAPは、お酒を飲んだあとでも“酔いと睡眠”の悪循環に効果があるかも!
2025年、韓国の研究チームによる論文が発表されました。
この研究では、お酒を飲んだあとに睡眠時無呼吸症候群の状態を観察し、「マスクをつけて空気を送る治療(CPAP)」がどれくらい有効かを比べています。まず、お酒を飲むと、睡眠の深さを示すN3は少し増えるものの、いびきの回数が増え、血中酸素の低下や、眠りの浅いREM睡眠の減少が見られました。でも、CPAP治療を行うと、無呼吸の状態は正常レベルに改善し、N2やN3、REMといった睡眠の質の高い段階がしっかり増え、目覚めの回数(覚醒指数)は減りました。
特に、お酒を飲んだ状態でCPAPを使った場合、N3(深い睡眠)はもっと増え、お酒を飲まないでCPAPを使った場合よりも深い睡眠時間が長くなりました。つまり、CPAPは「お酒を飲んでもいい深い睡眠」をサポートする力があるかもしれない、ということが示唆されています。[2025.韓国]
睡眠が気になる方、いびきを指摘されている方は、
岡崎ゆうあいクリニックまでお気軽にご相談ください。
