慢性疾患コラム

2025.08.08 睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群と脳疲労の深い関係――眠っているのに脳が疲れる理由

こんにちは、岡崎ゆうあいクリニックの小林まさのりです。

最近、「眠っているのに疲れが取れない」「朝起きてもすっきりしない」「集中力が続かない」そんな声をよく耳にします。もしかすると、それは単なる寝不足ではなく、“睡眠時無呼吸症候群”による「脳疲労」かもしれません。

この病気は、夜間の睡眠中に何度も呼吸が止まってしまうことで、脳や体に十分な酸素が届かなくなり、脳がしっかり休めないまま朝を迎える状態を引き起こします。

今回は、この「睡眠時無呼吸症候群」と「脳疲労」の関係について、最新の海外論文を交えながらわかりやすくお伝えします。

 

 


睡眠時の無呼吸が脳に及ぼすダメージ

 

2025年にアメリカのカリフォルニア大学アーバイン校から発表された研究では、睡眠中、とくに夢を見るレム睡眠の時間帯に酸素が不足すると、脳の記憶を司る海馬という部分に小さな血管障害が起こることが報告されました。この障害は、記憶力や学習能力の低下に関わる可能性があるとされています [2025.Sleep]。

また、睡眠中に何度も呼吸が止まる状態が続くと、脳の「白質」と呼ばれる情報伝達の経路にも損傷が起こり、注意力や判断力の低下、さらには認知機能の悪化につながるとも言われています。

こうした影響は、症状が軽度であっても無視できないほど深刻です。つまり、「たまにいびきをかくくらい大丈夫」と見過ごしている間に、じわじわと脳へのダメージが進行している可能性があるのです。

 


眠っても取れない「疲れ」は、脳からのSOSかもしれません

 

私たちは「眠気」と「疲労」を同じものと感じがちですが、実はまったく別のものです。眠気は睡眠不足によって生じる一時的な感覚ですが、脳の疲労はもっと根深いものです。たとえ十分な睡眠時間をとっていても、眠っている間に何度も呼吸が止まり、そのたびに脳が目覚めていたとしたら脳は一晩中、全力で働き続けているのと同じです。

2025年にオランダから発表された研究では、軽度の睡眠時無呼吸症候群の患者であっても、集中力の低下や記憶力の衰えといった自覚症状が強く現れることが明らかにされました。驚くべきことに、こうした自覚症状は、呼吸停止の回数よりも「疲れ」や「不安感」と強く結びついていることがわかったのです [2025.Life].

つまり、検査数値では「軽症」とされる人でも、「つらさ」や「ぼんやり感」といった主観的な症状が強く現れている場合、その背景に脳疲労が隠れている可能性が高いということです。

 


治療で脳疲労の回復が期待できる?最新の報告より

 

では、このように疲れてしまった脳は、もう元に戻らないのでしょうか?

実はそうではありません。

2025年にアメリカから報告された別の研究では、睡眠時無呼吸症候群の治療法のひとつであるCPAP(シーパップ)治療を1年間続けたところ、脳の白質の損傷が大幅に改善し、注意力や記憶力も回復傾向を示したとされています [2025.Brain].

つまり、早期に発見し、しっかり治療を受けることで、脳が本来の働きを取り戻せる可能性があるのです。

 


日常生活への影響――「ちょっとした不調」が大きなサインに

 

睡眠時無呼吸症候群は、いびきや日中の眠気といった症状だけでなく、実は「仕事で集中できない」「人の名前が思い出せない」「すぐにイライラする」といった日常の些細な変化にも関係しています。

また、夜間の酸素不足が繰り返されることで、自律神経のバランスが乱れ、高血圧や糖尿病、心臓病といった生活習慣病のリスクも高まるといわれています。

 


あなたやご家族にこんな症状はありませんか?

  • 寝ているときに呼吸が止まっていると言われた

  • 朝起きたときに頭が重い、だるい

  • 日中に眠気や集中力の低下がある

  • 最近、物忘れがひどくなった気がする

もし当てはまるものがあれば、それは脳疲労のサインかもしれません。早めに気づいて、しっかり対処することが大切です。

気になる方は岡崎ゆうあいクリニックまでお気軽にご相談ください。

PAGETOP