2025.06.18 自律神経失調症
【自律神経失調症外来】「疲れているのは身体じゃない?脳の“自律神経中枢”が乱れているサイン」
疲れの正体は脳だった!?
自律神経中枢の乱れが鍵かもしれません。
岡崎ゆうあいクリニックの小林です。
今回は皆さんが感じている疲れは、実は身体の疲れではなく、脳の疲れかもしれないというお話になります。
「疲労」と聞くと、「筋肉の使いすぎ」や「歩きすぎ」でくる体の疲れをイメージしがちです。でも、本当に疲れているのは 身体ではなく、脳 の可能性が高いのです。その中心にあるのが、自律神経を司る脳の中枢――前頭前野や前帯状皮質などで構成される「中央自律神経ネットワーク」です。
最新論文紹介
「精神的疲労が自律神経中枢に影響する仕組み」
今回ご紹介する2023年の論文は、海外の著名な医療レビュー誌に掲載されました。
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タイトル:「精神的疲労が中央自律神経ネットワークに与える影響」
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研究対象:健常な若年成人約20~30名
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方法:30分間の認知負荷テスト(例:複雑な記憶課題等)を実施し、その前後で心拍変動(High‑Frequency:高周波成分/Low‑Frequency比)や脳波・fMRIを測定
脳が疲れると起きる、自律神経の乱れについて
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精神的な負荷によって、副交感神経活動が20~30%低下し、交感神経活動が同様に20~30%上昇しましたbehavioralandbrainfunctions.biomedcentral.com。
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前頭前野や前帯状皮質の活動が低下し、自律神経の抑制機能が弱まることで、結果的に交感神経が過剰に働く状態が長く続きやすくなります。
慢性疲労症候群でも同じ現象が!
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慢性的な疲労「慢性疲労症候群」では、前頭前野や前帯状皮質の灰白質体積の低下や血流減少も報告されていますsciencedirect.com+4pmc.ncbi.nlm.nih.gov+4en.wikipedia.org+4。
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この構造的・機能的変化が続くことで、交感神経が常に緊張する状態=慢性疲労のスパイラルが形成されると考えられています。
脳疲労によって体に現れる具体的な症状
脳が疲れ、自律神経中枢が乱れると、以下のような症状が出やすくなります:
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✅朝起きてもだるい、頭が重い
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✅集中力の低下、記憶力の低下(いわゆる「脳霧」)
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✅動悸・息切れ、血圧の変動
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✅消化不良や過敏性腸症候群、便秘・下痢の繰り返し
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✅寝つきが悪い、夜中に目が覚めやすい
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✅冷えやほてり、発汗異常
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✅持続する不安やモチベーション低下
最新の研究では、こうした体の症状が 脳由来の疲れ だと捉え直されつつあります。
チェックリスト—この疲れは「脳疲労」?
脳疲労・自律神経中枢の乱れを疑うポイントは以下です:
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デスクワーク後やストレス後に、頭や胸がずっしり重い感じがする
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だるさが慢性化し、午前中でも元気が出ない
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眠っているはずなのに朝に疲労感が残る
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冷えやほてり、動悸など体調の浮き沈みを感じる
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集中力が続かず、仕事や家事でミスが増えている
3つ以上あれば、身体ではなく脳の中枢の疲れかもしれません。
自分でできること
- 脳のリセット時間を作る
● コグニティブディタッチ法(意識的に「脳OFF」の時間を設ける)
● 瞑想やマインドフルネスなど前頭前野を休める練習 -
生活習慣の見直し
● 睡眠の質を高める工夫(就寝前1時間のスマホオフなど)
● 軽運動を日常に(できれば1日30分、週4回が目安)
● 栄養・水分補給で脳の材料を整える
🌸 まとめ:「疲れ」の本質を捉える第一歩
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✅疲れている原因は、「脳の自律神経中枢が乱れている」ことが多い。
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✅精神的負荷により、副交感神経低下・交感神経過剰が起き、自律神経の自然なリズムが壊れます。
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✅そんな時は、脳を休める時間(「脳のスイッチオフ」)と生活習慣の見直しが回復の鍵になります。
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✅不調が続く方、「これって脳疲れかな?」と感じる方、まずはセルフチェックから始めてみてください。
【岡崎ゆうあいクリニックの自律神経失調症外来】
自律神経失調症外来(60分)
料金:19,800円(税込) ※自費診療
内容:リアルタイム測定・カウンセリング・環境応答チェック
外来時間:月、火、木、金の12:30~16:00