慢性疾患コラム

2025.03.07

「いびきをかくのは危険のサイン?」―睡眠時無呼吸症候群を見逃さないためのセルフチェック

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まる、または浅くなる状態が繰り返される疾患です。この状態が続くと、日中の強い眠気や集中力の低下を引き起こし、生活の質を著しく損なうだけでなく、高血圧や心疾患、糖尿病などの重大な健康リスクを高めることが知られています。

 

 

セルフチェックの重要性

睡眠時無呼吸症候群は自覚しにくい疾患であり、特に一人で寝ている方は気づきにくい傾向があります。しかし、早期発見と適切な治療が重要であり、セルフチェックはその第一歩となります。以下の項目に該当するものがないか確認してみましょう。​

  • 大きないびきをかく
  • 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある
  • 日中、強い眠気に襲われることが多い
  • しっかり寝ても疲れが取れない
  • 夜間に何度もトイレに起きる
  • 朝起きたときに頭痛がする
  • 高血圧や糖尿病を指摘されたことがある
  • 肥満傾向がある

これらの項目のうち、いくつか該当する場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。特に、いびきや無呼吸の指摘がある方、日中の眠気が強い方は注意が必要です。

 

最新の研究紹介:セルフチェックの有用性

最近の海外の研究では、セルフチェックリストを活用することで、睡眠時無呼吸症候群の早期発見に役立つ可能性が示唆されています。この研究では、簡易な質問項目を用いたセルフチェックが、専門的な検査と高い相関性を持つことが確認されました。これにより、多くの人が自宅で簡単にリスクを評価し、早期の医療相談につなげることが期待されています。

 

セルフチェックの実施方法

セルフチェックは、以下のような質問に「はい」または「いいえ」で答える形式で行います。上記のチェックリストを参考に、ご自身の状態を確認してください。結果はあくまで目安であり、自己診断に頼らず、専門医への相談をお勧めします。

 

セルフチェック後の対応

セルフチェックで睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合、専門医による診断が必要です。医療機関では、以下のような検査が行われます。

  1. 簡易検査(アプノモニター):​血液中の酸素濃度や脈拍、いびきの状態を測定する装置を用いて、自宅で行える検査です。
  2. 精密検査(ポリソムノグラフィー):​脳波や心電図、呼吸の状態などを詳細に記録する検査で、通常は医療施設で行われます。

 

治療方法

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、症状の程度や原因に応じて、以下のような治療が検討されます。

  • 持続的陽圧呼吸療法(CPAP):​鼻にマスクを装着し、気道に一定の空気圧をかけて閉塞を防ぐ方法です。
  • マウスピース療法:​就寝時に専用のマウスピースを装着し、下顎を前方に保持することで気道を確保します。
  • 外科的治療:​扁桃腺の肥大や鼻中隔のゆがみなど、解剖学的な原因がある場合に手術を行うことがあります。

 

生活習慣の見直し

治療と併せて、生活習慣の改善も重要です。具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • 適切な体重管理:​肥満は睡眠時無呼吸症候群のリスクを高めるため、適正体重の維持が重要です。
  • アルコールの節制:​就寝前の飲酒は筋肉の弛緩を促し、気道閉塞を悪化させる可能性があります。
  • 禁煙:​喫煙は上気道の炎症やむくみを引き起こし、気道を狭くする原因となります。
  • 睡眠姿勢の工夫:​仰向けでの睡眠は舌が喉の奥に落ち込みやすく、気道を塞ぐ原因となるため、横向きで寝ることが推奨されます。

 

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、放置すると重大な健康リスクを伴う疾患です。セルフチェックを活用し、早期にリスクを把握することで、適切な対応が可能となります。ご自身やご家族の健康を守るためにも、気になる症状がある場合は、岡崎ゆうあいクリニックでの診察を受けることをおすすめします。

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