慢性疾患コラム

2025.03.06

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と交通事故の深い関係

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と交通事故の深い関係

皆さん、こんにちは。​岡崎ゆうあいクリニックの院長、小林まさのりです。​今回は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と交通事故の関係についてお話ししたいと思います。​睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が一時的に止まる状態が繰り返される疾患で、日中の強い眠気や集中力の低下を引き起こします。​これらの症状は、運転中の居眠りや注意力散漫を招き、交通事故のリスクを高める要因となります。​

 

 

最新の研究が示すSASと交通事故の関連性

最新の研究では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者が交通事故を起こすリスクが高いことが明らかになっています。​ある研究では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者の約35%が過去1年間に居眠り運転を経験し、そのうち10.1%が実際に事故を起こしていたと報告されています。 ​また、別の研究では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者が一般の人よりも交通事故を起こす確率が2.5倍高いとされています。 ​

 

職業運転者におけるSASの影響

特に長時間運転を行う職業運転者にとって、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は重大な問題となります。​ある調査では、トラック運転者の約40%が仕事中の居眠りを経験し、そのうち30%以上が実際に居眠りによる事故を経験していたと報告されています。 ​このことから、職業運転者への睡眠時無呼吸症候群(SAS)スクリーニング検査の重要性が指摘されています。​

 

SASの診断と治療が交通事故防止に寄与

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断と適切な治療は、交通事故のリスクを大幅に低減させることができます。​持続陽圧呼吸療法(CPAP)は、SASの標準的な治療法であり、これにより日中の眠気が改善され、運転中の注意力が向上します。​実際、CPAP治療を受けた睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者は、治療開始1年後には再度の事故を起こしていないとの報告もあります。 ​
 

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の早期発見と対策の重要性

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は自覚症状が乏しい場合も多く、本人が気づかないうちに症状が進行することがあります。​そのため、以下のような症状や兆候がある場合は、早めの検査と対策が重要です。​

いびき:​大きないびきをかくことが多い。​
日中の眠気:​十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる。​
集中力の低下:​注意力や集中力が続かない。​
起床時の頭痛:​朝起きたときに頭痛を感じることが多い。​
これらの症状に心当たりがある方は、専門医への相談をおすすめします。​

 

まとめ

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、交通事故のリスクを高める重大な疾患です。​特に職業運転者や長時間運転を行う方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の影響を受けやすいため、早期の検査と適切な治療が重要となります。​日中の眠気やいびきなどの症状に心当たりがある方は、ぜひ一度、専門医にご相談ください。

 

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