2025.08.05 線維筋痛症
なぜ痛みが続くのか…脳と線維筋痛症の深い関係
こんにちは。岡崎ゆうあいクリニック院長の小林です。
今回は、「体のあちこちが痛む」「いつも疲れている」「検査では異常がない」といったつらい症状が続く【線維筋痛症】について、脳との関係性や最新の研究、そして治療の可能性をわかりやすく解説します。

線維筋痛症とは?ただの筋肉痛ではありません。
「朝起きた瞬間から、全身が重くて痛い」「どこかケガをしているわけじゃないのに、常に体が痛い」
このような症状に思い当たる方は、もしかすると線維筋痛症かもしれません。
線維筋痛症は、原因がはっきりしない全身の痛みや強い疲労感、眠りの浅さ、頭痛、過敏性腸症候群のような症状が慢性的に続く病気です。
日本では約200万人、特に30〜60代の女性に多いと言われています。特徴的なのは、レントゲンや血液検査などでは異常が出ないのに、強い痛みがあることです。
線維筋痛症の原因は「脳」にある?
ここ数年、線維筋痛症の原因について、最新の研究が進んできました。
結論から言うと、「痛みの原因は脳にある可能性が高い」と考えられています。
たとえば、2025年に発表された海外の研究では、線維筋痛症の患者さんと健康な人の脳をMRIで比較しました。すると、次のような違いが見つかったのです。
-
視床(ししょう)という、痛みの信号を中継する場所が大きくなっている
-
扁桃体(へんとうたい)や島皮質(とうひしつ)など、感情やストレスに関係する部分が小さくなっている
この脳の変化があると、ちょっとした刺激でも「痛み」として強く感じるようになり、脳が痛みを過敏に反応してしまう状態になってしまうのです。
なぜ脳が「痛い」と勘違いするのか?
線維筋痛症では、体そのものに異常がなくても、脳の中で痛みを感じる部分が過剰に働いてしまいます。
原因としては以下のようなことが考えられています:
-
長期間のストレスや不安によって、脳の痛みを抑える働きが弱まる
-
眠りが浅く、脳が十分に回復できていない
-
脳の中で炎症を引き起こす免疫細胞が活性化している
このような状態を「中枢感作」と呼びます。中枢神経、つまり脳や脊髄が、わずかな刺激にも大きく反応してしまうのです。
つまり、線維筋痛症は「気のせい」でも「心の病気」でもなく、脳の働きによって本当に痛みを感じてしまう医学的な病気なのです。
線維筋痛症の主な症状
線維筋痛症の症状は人によってさまざまですが、主に以下のようなつらさが見られます。
-
全身の痛み(特に肩・首・腰・関節まわり)
-
慢性的な疲れ
-
頭痛・めまい
-
腸の不調(下痢や便秘)
-
睡眠の質の低下
-
不安感や気分の落ち込み
痛みとともに精神的なつらさを感じる方も多く、生活の質(QOL)が大きく下がってしまうのが特徴です。
線維筋痛症の治療方法|脳の働きを整えることがカギになります
では、線維筋痛症はどのように治療していくのでしょうか?
実は最近の治療の中心は、「脳の反応をやさしく整えること」です。薬だけに頼らず、心と体のバランスを取っていくことが大切です。
1. 脳を整える生活習慣
-
軽い運動(ウォーキングやストレッチ)を習慣にすることで、痛みを和らげるホルモン(セロトニンなど)が出やすくなります。
-
深呼吸や瞑想、マインドフルネスで、脳をリラックスさせましょう。
-
良質な睡眠をとることで、脳の回復を促します。
2. 痛みについて知る「痛みの教育」
「痛み=ケガ」という考えではなく、「脳が痛みを大きく感じているだけなんだ」と知ることで、痛みへの恐怖や不安が軽くなります。
3. 必要に応じて薬の併用も
痛みや不安が強い場合には、抗うつ薬や痛みの伝達を抑える薬を使うこともあります。症状や体質に応じて調整しますので、自己判断で市販薬を使わず、医師と相談してください。
おわりに|まずは話を聞かせてください
線維筋痛症は、まだまだ世の中で理解が進んでいない病気かもしれません。
「どこに相談していいかわからない」
「病院に行っても異常がないと言われた」
そんな方にこそ、私たち岡崎ゆうあいクリニックが力になれたらと願っています。
痛みや疲れに悩む毎日から一歩踏み出し、一緒に希望を見つけていきましょう。
当院では
自律神経や脳波の測定による、無意識に潜んでいるストレスの気づきを促すカウンセリングや、
高気圧水素酸素治療、調圧水素酸素治療などで線維筋痛症への治療を行っています。
まずは気軽に岡崎ゆうあいクリニックにご相談ください。
