慢性疾患コラム

2025.03.07

「糖尿病リスクを下げる方法とは?知らないと怖い発症要因」

糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる代謝性疾患であり、主に1型糖尿病と2型糖尿病の2つの主要なタイプがあります。1型糖尿病は、自己免疫反応によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンの分泌が不足することが原因です。一方、2型糖尿病は、インスリン抵抗性とインスリン分泌の相対的な不足が組み合わさって発症します。

 

 

糖尿病の原因とリスク要因

糖尿病の発症には、遺伝的要因と環境的要因が複雑に絡み合っています。以下に主要な原因とリスク要因を詳しく説明します。​

 

1. 遺伝的要因

糖尿病の発症には遺伝的な素因が関与しています。特に1型糖尿病は、特定のHLA遺伝子型など、複数の遺伝子がリスクに影響を与えることが知られています。一方、2型糖尿病も多くの遺伝子が関与しており、同卵双生児の一方が糖尿病の場合、もう一方が発症する確率は90%以上とされています。 

 

2. 生活習慣要因

2型糖尿病の発症には、以下の生活習慣要因が大きく関与しています。

  • 肥満と運動不足:​肥満(特にBMIが30以上)や身体活動の不足は、インスリン抵抗性を高め、糖尿病のリスクを増加させます。特に内臓脂肪の蓄積はリスクを高める要因とされています。 

  • 不健康な食生活:​砂糖を多く含む飲料の過剰摂取や飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の多い食事は、糖尿病のリスクを高めます。一方、多価不飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸を含む食事は、リスクを低減させるとされています。 

 

3. 環境要因

環境要因も糖尿病の発症に影響を与えます。例えば、特定のウイルス感染や腸内細菌の組成変化が、1型糖尿病のリスクを高める可能性が示唆されています。また、持続性有機汚染物質への曝露も、糖尿病と関連している可能性があります。

高血圧や脂質異常症などの他の健康状態も、糖尿病のリスクを高める要因となります。これらの状態は、インスリン抵抗性を悪化させ、糖尿病の発症を促進する可能性があります。

 

最新の研究:血糖変動と血管病リスク

最新の研究では、血糖値の変動が血管疾患のリスクに与える影響が注目されています。特に、HbA1cを指標とした介入試験において、心血管疾患の発症予防に成功した研究は少ないとされています。これは、HbA1cが平均的な血糖値を示す一方で、血糖値の急激な変動や高血糖のピークを捉えきれない可能性があるためです。そのため、血糖変動自体が血管内皮機能に悪影響を及ぼし、動脈硬化の進行を促進する可能性が指摘されています。これらの知見は、糖尿病患者の血糖管理において、平均的な血糖値だけでなく、血糖変動の抑制も重要であることを示唆しています。

 

まとめ

糖尿病の発症には、遺伝的要因、生活習慣、環境要因、そして他の健康状態など、複数の要因が関与しています。特に2型糖尿病は、生活習慣の改善によって予防や進行の抑制が可能とされています。また、最新の研究から、血糖値の変動を最小限に抑えることが、血管疾患のリスク低減に重要であることが示唆されています。糖尿病の予防と管理には、これらの多角的な要因を考慮し、総合的なアプローチが求められます。

糖尿病に関するご相談や検査をご希望の方は、ぜひ岡崎ゆうあいクリニックにご相談ください。

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