慢性疾患コラム

2025.03.07

「糖尿病のタイプ別症状と予防法を徹底解説」

​糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる代謝性疾患で、大きく分けて1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病の3つのタイプがあります。​それぞれのタイプには、原因や発症メカニズム、治療法などに違いがあります。​今回は、各タイプの特徴と最新の研究動向について詳しくご紹介します。​

 

 

 

1. 1型糖尿病

1型糖尿病は、自己免疫反応によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンの分泌が極端に低下または消失することが原因で発症します。​このタイプは、特に子供や若年層に多く見られますが、成人でも発症することがあります。​主な症状としては、多尿、口渇、体重減少、疲労感などが挙げられます。​治療には、インスリン療法が必須であり、適切な血糖コントロールが重要です。​

 

2. 2型糖尿病

2型糖尿病は、インスリン抵抗性とインスリン分泌の相対的な不足が組み合わさった状態で発症します。​主に成人に多く見られますが、近年では若年層でも増加傾向にあります。​肥満、運動不足、不健康な食生活などの生活習慣や遺伝的要因がリスクを高めます。​症状は徐々に進行し、初期には自覚症状がないことも多いです。​治療には、生活習慣の改善、経口血糖降下薬の使用、必要に応じてインスリン療法が含まれます。​

 

3. 妊娠糖尿病

妊娠糖尿病は、妊娠中に初めて発見される高血糖状態を指します。​これは、母体と胎児の健康に影響を及ぼす可能性があり、適切な管理が重要です。​出産後、血糖値は通常正常に戻りますが、将来的に2型糖尿病を発症するリスクが高まるため、定期的な検査と生活習慣の見直しが推奨されます。​

 

最新の研究動向:糖尿病と認知症の関連性

近年、糖尿病と認知症、特にアルツハイマー病との関連性が注目されています。​一部の研究では、糖尿病患者がアルツハイマー病を発症するリスクが高いことが示唆されています。​これは、インスリン抵抗性や高血糖状態が脳内の神経変性を促進する可能性があるためです。​

例えば、2024年8月に発表された韓国の大規模研究では、SGLT-2阻害薬という2型糖尿病治療薬を使用している患者は、他の糖尿病治療薬を使用している患者に比べて、認知症の発症リスクが35%低いことが報告されました。 ​また、GLP-1受容体作動薬と呼ばれる糖尿病治療薬が、アルツハイマー病の予防や治療に有望であるとの研究も進行中です。 ​

 

まとめ

糖尿病は、そのタイプによって原因や治療法が異なりますが、共通して血糖値の適切な管理が重要です。​早期の診断と適切な治療、そして生活習慣の見直しが、合併症の予防と健康維持に不可欠です。​特に、糖尿病と認知症の関連性が示唆されている現在、血糖コントロールの重要性はさらに高まっています。​

糖尿病に関するご相談や検査をご希望の方は、岡崎ゆうあいクリニックにご相談ください。

PAGETOP