2025.08.02 糖尿病
「糖尿病といびきが深く関係しているって本当?最新研究から見えた真実」
糖尿病と睡眠のトラブルの関係
糖尿病というと食事や運動がすぐに思い浮かびますが、「睡眠」もとても大事な要素です。最近の研究で、「いびき」や「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が糖尿病と強く関係していることが分かってきました。
特に睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気で、いびきが大きい人や朝起きたときに疲れが取れていない人に多く見られます。実はこの病気があると、血糖値のコントロールが難しくなり、糖尿病のリスクが高まることが分かっています。

最新研究からわかったこと
2024年にアラブ首長国連邦で行われた大規模な調査(4,500人以上を対象)では、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高い人は、糖尿病を持つ確率が約3倍も高いことが報告されました。
さらに、特に男性では4人に1人が「無呼吸の可能性が高い」と診断されており、いびきや日中の強い眠気が糖尿病とつながる重要なサインになることが分かっています。
なぜ睡眠のトラブルが糖尿病に影響するのか?
無呼吸の状態が繰り返されると、体は「酸素が足りない!」と強いストレスを感じ、アドレナリンなどのホルモンが多く出ます。これによって、
-
血糖が上がりやすくなる
-
インスリン(血糖を下げるホルモン)が効きにくくなる
といった悪循環が起きます。
逆に、糖尿病があると気道(空気の通り道)の筋肉の働きが弱くなり、無呼吸を起こしやすくなることもあります。つまり、糖尿病と無呼吸は互いに悪化させる関係にあるのです。
いびきは「体からのSOS」
「ただのいびき」と思って放置することはとっても危険です。
実は、いびきは睡眠時無呼吸症候群の前触れかもしれません。夜中に何度も目が覚める、朝起きた時に頭が重い、日中に強い眠気を感じるという人は要注意です。
特に、糖尿病・高血圧・肥満のいずれかがある方は、無呼吸の可能性が高いと言われています。
睡眠を整えることで血糖も改善できる?
最近では、睡眠の質を改善することで血糖値が下がる可能性があるという研究も進んでいます。
例えば、睡眠時間が1日6時間以下だった糖尿病患者さんに、睡眠習慣を整えるサポートを行ったところ、血糖の数値(HbA1c)が改善する兆しが見られたという報告もあります。
岡崎ゆうあいクリニックでできること
当院では、糖尿病の治療だけでなく、睡眠時無呼吸症候群の検査も行っています。
いびきや眠気でお困りの方には、
-
CPAPという無呼吸を補助する治療
-
口に装着するマウスピース
-
生活習慣の改善
など、その方に合った治療方法を一緒に考えていきます。
最後に
糖尿病といびき、睡眠時無呼吸症候群は無関係に見えますが、最新の研究では深くつながっていることがわかっています。
夜ぐっすり眠れることは、血糖コントロールにも大切です。
「最近、いびきがひどい」「朝すっきり起きられない」という方は、ぜひ一度、岡崎ゆうあいクリニックにご相談ください。
