2025.03.07
「睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?治療の鍵は持続陽圧呼吸療法(CPAP)」
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と持続陽圧呼吸療法(CPAP)の関係とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が一時的に停止したり低下したりする病気です。無呼吸の状態が繰り返されることで、睡眠の質が低下し、日中の眠気や集中力の低下を引き起こします。さらに、放置すると高血圧や心疾患、脳卒中などのリスクを高めることが知られています。
持続陽圧呼吸療法(CPAP)とは?
持続陽圧呼吸療法(CPAP)は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療に広く用いられている方法です。専用の装置を使い、気道へ一定の空気圧を送り続けることで、気道の閉塞を防ぎます。これにより、睡眠中の呼吸が安定し、症状の改善が期待できます。
最新の研究:持続陽圧呼吸療法(CPAP)は心血管リスクを減少させるのか?
最近発表された海外の研究では、持続陽圧呼吸療法(CPAP)が心血管疾患の予防にどのような影響を与えるかが検討されました。研究では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を持つ患者を対象に、持続陽圧呼吸療法(CPAP)を使用したグループと使用しなかったグループを比較しました。
その結果、持続陽圧呼吸療法(CPAP)を毎晩4時間以上使用した患者では、高血圧や心筋梗塞のリスクが有意に低下していることが分かりました。しかし、使用時間が短い患者では、心血管疾患のリスク低減効果が十分に得られなかったことも指摘されています。このことから、持続陽圧呼吸療法(CPAP)の効果を十分に発揮させるためには、適切な使用時間を確保することが重要であるといえます。
持続陽圧呼吸療法(CPAP)の課題と対策
持続陽圧呼吸療法(CPAP)は非常に有効な治療法ですが、すべての患者にとって簡単に継続できるものではありません。特に、以下のような課題が指摘されています。
マスクの装着感が気になる
→ 自分に合ったマスクの選定が重要です。
装置の音が気になる
→ 静音性の高いモデルを選ぶことで解決できる場合があります。
長時間の使用が難しい
→ 徐々に使用時間を増やし、慣れていくことが大切です。
近年では、遠隔モニタリング技術を活用し、医師が患者の使用状況をリアルタイムで把握できるシステムも開発されています。これにより、患者の継続的な使用をサポートすることが可能になりつつあります。
持続陽圧呼吸療法(CPAP)が適さない場合の選択肢
持続陽圧呼吸療法(CPAP)が合わない患者には、以下のような治療法も検討されています。
舌下神経刺激療法(舌の筋肉を刺激し、気道閉塞を防ぐ)
口腔内装置(下顎を前方に固定し、気道を広げる)
生活習慣の改善(減量、禁酒、横向きでの睡眠など)
まとめ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は放置すると深刻な健康リスクを伴いますが、持続陽圧呼吸療法(CPAP)を適切に使用することで、多くの患者さんが症状の改善を実感できます。さらに、心血管疾患のリスクを低減する可能性があるため、できるだけ継続的に使用することが推奨されます。
「持続陽圧呼吸療法(CPAP)が気になる」「自分に合った治療法を知りたい」という方は、ぜひ岡崎ゆうあいクリニックにご相談ください。