2025.03.11
「痩せていても安心できない?睡眠時無呼吸症候群の意外なリスク要因」
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が止まる、または浅くなる状態が繰り返される疾患です。これにより、日中の強い眠気や集中力の低下、さらには高血圧や心疾患などの合併症を引き起こす可能性があります。SASの発症には、さまざまな要因が関与していますが、その中でも体型は重要なリスクファクターの一つとされています。
1. 肥満と睡眠時無呼吸症候群
肥満はSASの主要なリスク要因として知られています。特に、首周りや舌に脂肪が蓄積すると、気道が圧迫され、睡眠中の呼吸が妨げられやすくなります。さらに、内臓脂肪型肥満、つまりお腹周りに脂肪が多く蓄積するタイプの肥満は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の発症リスクを高めることがわかっています。
2. 顎の形状とSASの関連性
日本人は欧米人と比較して顎が小さい傾向があり、これがSASの発症に影響を及ぼすことがあります。顎が小さいと、気道が狭くなりやすく、少しの体重増加でも気道がさらに狭くなる可能性があります。その結果、睡眠中の呼吸が妨げられ、無呼吸状態が発生しやすくなります。
3. 痩せ型の人も注意が必要
SASは肥満の方に多いとされていますが、痩せ型の方でも発症することがあります。特に、顎が小さい、顔の奥行きが少ない、首が短い、下顎が後退しているなどの骨格的特徴を持つ方は、気道が狭くなりやすく、SASのリスクが高まります。
4. 性別と年齢の影響
SASは男性に多く見られる疾患ですが、女性でも更年期以降は発症リスクが高まることが報告されています。これは、ホルモンバランスの変化や加齢による筋力の低下が影響していると考えられています。
5. 生活習慣の影響
喫煙や過度の飲酒、寝る前の飲酒習慣、暴飲暴食などの生活習慣もSASのリスクを高める要因となります。これらの習慣は、体重増加や気道の炎症を引き起こし、結果としてSASの発症につながる可能性があります。
6. 睡眠時無呼吸症候群の症状と影響
SASの主な症状として、睡眠中のいびき、日中の過度の眠気、起床時の頭痛、集中力の低下などが挙げられます。これらの症状は、日常生活や仕事のパフォーマンスに影響を及ぼすだけでなく、高血圧、心血管疾患、糖尿病などの重大な健康問題を引き起こすリスクも高まります。
7. 睡眠時無呼吸症候群の診断と治療
SASの診断には、睡眠ポリグラフ検査(PSG)などの専門的な検査が行われます。治療法としては、持続陽圧呼吸療法(CPAP)やマウスピースの装着、生活習慣の改善などが挙げられます。適切な治療を受けることで、症状の改善や合併症の予防が期待できます。
8. まとめ
睡眠時無呼吸症候群は、体型や生活習慣、骨格的特徴など、さまざまな要因が関与する疾患です。肥満だけでなく、痩せ型の方や特定の骨格的特徴を持つ方も注意が必要です。日中の眠気やいびきなどの症状がある場合は、早めに岡崎ゆうあいクリニックに相談し、適切な検査と治療を受けることが重要です。