慢性疾患コラム

2025.03.06

「寝だめは悪い習慣?高血圧との関係を最新データで解説」

​こんにちは。岡崎ゆうあいクリニック院長の小林まさのりです。

​今回は、「高血圧と寝だめ」についてお話しします。​日々の忙しさから、平日の睡眠不足を週末の「寝だめ」で補おうと考える方も多いのではないでしょうか。​

しかし、この「寝だめ」が高血圧などの健康にどのような影響を及ぼすのか、気になるところですよね。

 

 

最新の研究とその解釈

最新の研究では、週末の「寝だめ」が心血管疾患のリスク低下と関連しているとの報告があります。​2024年8月30日から9月2日に開催された欧州心臓病学会議2024で発表された研究によれば、週末に最も多く睡眠時間を確保したグループは、最も睡眠時間が短かったグループと比べて、心血管疾患を発症するリスクが19%低くなったとされています。 ​さらに、日常的に睡眠不足であるものの、週末に「寝だめ」をしている人は、睡眠不足をほとんど補わなかった人と比べて、心疾患のリスクが20%低いという結果も示されています。​

しかし、これらの結果は「寝だめ」が直接的に心臓の健康に有益であることを示すものではありません。​平日に十分な睡眠を確保することが最も重要であり、「寝だめ」はあくまで補助的な手段と考えるべきです。​また、過度の「寝だめ」は睡眠リズムを乱し、かえって健康に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。 ​

 

高血圧と睡眠の質の関係

高血圧と睡眠の質には密接な関係があります。​睡眠不足や睡眠の質の低下は、交感神経系の活性化やストレスホルモンの分泌増加を引き起こし、これが血圧の上昇につながるとされています。​また、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害は、高血圧のリスクを高める要因として知られています。 ​ 

 

社会的時差ボケと健康リスク

平日と週末で睡眠パターンが大きく異なると、「社会的時差ボケ」と呼ばれる状態を引き起こすことがあります。​これは、体内時計と実際の生活リズムとのずれが生じることで、メタボリックシンドロームや心血管疾患のリスクを高めるとされています。​そのため、平日と週末でなるべく一定の睡眠リズムを保つことが重要です。 ​

 

適切な睡眠習慣の確立

高血圧の予防や管理には、適切な睡眠だけでなく、バランスの良い食事、適度な運動、ストレスの適切な解消など、総合的な生活習慣の見直しが必要です。​日々の生活の中で無理のない範囲でこれらを取り入れていくことが大切です。​

 

まとめ

「寝だめ」は一時的な睡眠不足の解消には役立つ可能性がありますが、長期的な健康維持のためには、平日から十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムを保つことが最も重要です。​睡眠や高血圧に関してお悩みやご質問がありましたら、ぜひ岡崎ゆうあいクリニックにご相談ください。

 

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