慢性疾患コラム

2025.03.06

「夜中のトイレが多いのは睡眠時無呼吸が原因かも?」

睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる状態を指し、健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。​特に、夜間頻尿との関連性が注目されています。​

   

 

睡眠時無呼吸症候群とは?

SASは、10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上発生する状態と定義されます。

40回以上発生すると重症と判定されて、CPAPなどの治療が必要になります。

​主なタイプとして、以下の3つが挙げられます。​

閉塞性睡眠時無呼吸(OSAS):​気道の閉塞により呼吸が止まるタイプで、最も一般的です。​
中枢性睡眠時無呼吸(CSAS):​脳からの呼吸指令が適切に伝わらないことで発生します。​
混合性睡眠時無呼吸:​上記2つの要素が組み合わさったタイプです。​
 

夜間頻尿とは?

夜間頻尿は、夜間に何度もトイレに起きる状態を指し、睡眠の質を低下させ、日中の生活に影響を及ぼすことがあります。​

 

SASと夜間頻尿の関連性

近年の研究により、SASと夜間頻尿の間には密接な関連があることが示唆されています。​SAS患者は、睡眠中の無呼吸や低呼吸により、体内の酸素濃度が低下し、交感神経が活性化されます。​これにより、抗利尿ホルモンの分泌が抑制され、尿の生成が増加し、夜間頻尿を引き起こすと考えられています。​ 

 

最新の研究紹介:SASと夜間頻尿の関連性

2024年12月に発表された研究では、心不全患者におけるSASの存在が、夜間の不整脈の発生と関連していることが示されました。​具体的には、SASを有する患者は、夜間の心房性頻脈の頻度が高く、これは夜間頻尿の増加とも関連している可能性があります。 ​

 

症状と影響

SASと夜間頻尿の主な症状と影響は以下の通りです。

夜間の症状:​大きないびき、呼吸停止、頻繁なトイレ、寝汗、不眠など。​
日中の症状:​強い眠気、集中力の低下、頭痛、疲労感、イライラなど。​

これらの症状は、生活の質を著しく低下させるだけでなく、高血圧、心疾患、糖尿病などのリスクも高めます。​

 

診断と治療

SASの診断は、睡眠ポリグラフ検査などの専門的な検査によって行われます。​治療法としては、持続陽圧呼吸療法(CPAP)、口腔内装置の使用、生活習慣の改善(減量、禁酒、禁煙)などがあります。​これらの治療により、SASだけでなく、夜間頻尿の改善も期待できます。​

 

まとめ

睡眠時無呼吸症候群と夜間頻尿は密接に関連しており、放置すると生活の質の低下や深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。​これらの症状に心当たりのある方は、早めの診断と適切な治療が重要です。​

お悩みの方は、ぜひ岡崎ゆうあいクリニックにご相談ください。

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