慢性疾患コラム

2025.03.11 睡眠時無呼吸症候群

「あなたのいびき、大丈夫?睡眠時無呼吸症候群のサインを見逃さない」

睡眠時無呼吸症候群といびきは、多くの方が経験する可能性のある睡眠中の呼吸に関連する問題です。いびきは一般的には無害と考えられがちですが、実は睡眠時無呼吸症候群の重要なサインであることをご存知でしょうか。

いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係性

いびきは、睡眠中に上気道が部分的に狭くなることで、空気の通り道が振動し音が生じる現象です。一方、睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一時的に停止する状態を指し、特に閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、上気道の閉塞によって引き起こされます。この閉塞性睡眠時無呼吸症候群の主な症状の一つがいびきであり、いびきをかく人の約25%が睡眠時無呼吸症候群を発症しているとの報告もあります。

睡眠時無呼吸症候群の健康への影響

睡眠時無呼吸症候群は、単なるいびきとは異なり、健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。例えば、睡眠時無呼吸症候群は高血圧、心疾患、糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることが知られています。さらに、日中の過度な眠気や集中力の低下を引き起こし、交通事故や労働災害のリスクを増加させることも指摘されています。

最新の研究から見る睡眠時無呼吸症候群といびきの関連性

最新の研究では、いびきの音響解析と睡眠時のCTスキャンを組み合わせることで、睡眠時無呼吸症候群患者の上気道の閉塞部位を特定する試みが行われています。この研究では、鼻呼吸時および口呼吸時の上気道の形態といびきの音響特性を比較し、上気道の閉塞パターンを3つに分類する可能性が示唆されました。これにより、個々の患者に適した治療法の選択が期待されています。

睡眠時無呼吸症候群の診断と治療法

睡眠時無呼吸症候群の診断には、睡眠ポリグラフ検査が一般的に用いられます。この検査では、睡眠中の脳波、呼吸、心拍数、筋電図などを測定し、無呼吸や低呼吸の有無を確認します。治療法としては、経鼻的持続気道陽圧療法が標準的であり、睡眠中に適正な圧力を気道に供給することで、呼吸の途絶を防ぎます。また、最近では、舌下神経電気刺激療法と呼ばれる新しい治療法も登場しており、舌の筋肉を電気刺激することで、上気道の閉塞を防ぐ効果が期待されています。

いびきを軽視しないで

いびきは、多くの場合、睡眠時無呼吸症候群の初期症状として現れることがあります。特に、肥満や高血圧、糖尿病などのリスク要因を持つ方は、いびきを軽視せず、専門医の診察を受けることが重要です。早期の診断と適切な治療により、健康リスクを低減し、生活の質を向上させることが可能です。

まとめ

いびきと睡眠時無呼吸症候群は、密接に関連する睡眠障害です。いびきを単なる睡眠中の音と捉えず、その背後に潜む睡眠時無呼吸症候群の可能性を考慮することが大切です。最新の研究や治療法も進歩しており、適切な診断と治療により、健康リスクを効果的に管理することが可能です。いびきや睡眠中の呼吸に不安を感じる方は、ぜひ一度、岡崎ゆうあいクリニックにご相談ください。

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