2022.01.05
高濃度ビタミンC点滴療法
◆がんに対する「高濃度ビタミンC点滴療法」
当院では高濃度ビタミンC点滴を行っています。高濃度ビタミンC点滴は2005年にNIH(アメリカ国立衛生研究所)がビタミンCを大量に点滴で投与することにより、がん細胞が死滅するメカニズムについて発表してから脚光を浴びることになりました。NIHから発表された論文では、抗酸化物質であるビタミンCは、むしろ強い抗酸化作用を誘導し、がん細胞を殺すこと、さらに正常細胞には何のダメージも与えないことが示されました。以来、アメリカでは大学病院で臨床試験が開始され、実際の臨床の場では非常に多くの医師がビタミンCによるがん治療を行っています。
この高濃度ビタミンC点滴療法は、従来のがん治療を否定するものではなく、放射線治療や抗がん剤などによる治療の効果を高める可能性のある治療法です。がんに苦しむ多くの方々に治療の選択肢のひとつとして知っていただきたい治療法です。
◆高濃度ビタミンC点滴療法をお勧めしたい方
- 有効な治療法がない方。
- 抗がん剤や放射線治療が無効な方。
- 抗がん剤や放射線治療と併用される方。
- 抗がん剤や放射線治療の副作用が強く続けられない方。
※高濃度ビタミンC点滴療法は代替医療です。すでに有効な抗がん剤に代わるものではありません。
<高濃度ビタミンCの作用>
①活性酸素を捕捉する抗酸化作用で細胞の癌化を防ぐ
②白血球やマクロファージの機能を高め免疫機能を増強
③胃癌等の原因といわれるニトロソアミンの生成を抑える
④抗癌作用を有するインターフェロンの生成を促進
⑤副腎に働きかけアドレナリンの分泌を促進することでストレスから守る
◆なぜ高濃度でなければならないか?
- 効果を発揮させる為には、血液中のビタミンC濃度を 300mg / dl以上にすることが必要なため、酸化されていない高濃度のビタミンCを大量に(平均50g以上)静脈投与(点滴)します。
- 食事や経口摂取したビタミンCの血中濃度には限度があり、0.6mg / dl~1.5mg / dlで大量に摂っても排泄されてしまいます。
◆実際の方法
- まず、患者様の身体が高濃度ビタミンC点滴療法に適しているかを調べます。
※事前に診察・検査を受けていただきます。 - 患者様それぞれの症状により異なりますが、1回目は25gから開始していきます。
- その後、患者様の状態をみながら濃度をあげていき、血中 濃度が癌治療に最適になるまで調節していきます 。
※平均的には週に2度程度の点滴治療 - 点滴時間は2時間前後でその直後にビタミンCの血中濃度検査をする場合があります。
◆適応する疾患
- 大腸がん
- 肺がん
- 膵臓がん
- 卵巣がん
- 膀胱がん
- 乳がん
- 前立腺がん
- 胃がん
- 子宮がん
- 悪性リンパ腫
- 白血病
- 多発性骨髄腫
など、どのような癌でもチャレンジする価値がある療法です。
◆適応にならない場合について
高濃度ビタミンC点滴療法に適さない方とは?
① 腎臓機能の低い方や透析中の方
② G6PD欠損症の方(日本人には少ない) →事前に検査をします
③ 脱水症状を起こしておられる方
④ 胸水や腹水のある方、浮腫が強い方
⑤ 病状が極端に悪化されている方
⑥ その他 当院担当医が適さないと見なした方
◆副作用・リスクについて
高濃度ビタミンC点滴療法には重大な副作用はありません。ビタミンCは水溶性で速やかに尿中排泄されるため、過剰摂取による副作用もありません。但し、まれに下記の事象が報告されており、副作用とリスクの可能性があります。
- 腎結石や尿路結石の発症。
- 血管痛(浸透圧が高くなる為に起こる場合もありますが、当院では速度や適切な処置で防いでいます。)
- ビタミンC投与により 見かけ上の高血糖を起こす。
※糖尿病等でコントロールされている方は事前にご相談ください。
◆費用について
高濃度ビタミンC点滴療法は代替医療のため、健康保険は使えません。
- G6PD欠損症事前検査料 ¥8,000(税込)
- ビタミンC血中濃度測定料 ¥8,000(税込)
- ビタミンC 25gまで ¥10,000(税込)
- ビタミンC 50gまで ¥15,000(税込)
- ビタミンC 75gまで ¥20,000(税込)
- ビタミンC 100gまで ¥25,000(税込)
※自由診療域のため、他の検査を同時にされますとその検査も保険外適用となります。ご了承をお願い致します。
※お支払いにクレジットカードをご利用いただけます。