医療情報

2023.01.22

コロナ後遺症外来 開始のお知らせ

人知れず「コロナ後遺症」で苦しむ人たちを救いたい。

周りの人に理解してもらえない「つらい疲労感」で苦しむ人たちを救いたい。

「慢性的な痛み」で毎日が憂鬱な人たちを救いたい。

 

そんな思いでこの外来を開設しました。

 

正直、コロナ後遺症がここまで深刻だと思っていませんでした。

 

新型コロナウイルスから多くの方は回復してもとの日常を取り戻すことができますが、人知れずコロナ後遺症で苦しむ人たちが少なからずいます。コロナ感染後に仕事に行けなくなった人、学校に行けなくなった人、普通の家事ができずに寝込んでいる人。どんな検査をしても異常なしと言われてしまうので、つらさを抱えながら悩んでいるようです。

コロナワクチン後遺症の方も実際にいらっしゃいます。コロナワクチンを投与したら体調を崩して高校に行けなくなって退学してしまった方は本当にかわいそうでした。

 

また、コロナ後遺症だけでなく、周りの人に理解してもらえない「つらい疲労感」で苦しんでいる「慢性疲労症候群」の方も多いですし、原因不明の全身の痛みで鎮痛剤を飲み続けている「線維筋痛症」で苦しんでいる人たちも多いです。

 

これらの病気で日常生活を送れなくなっている患者さんを診察するようになって、全国で同じように苦しんでいる人たちが多いと思い、なんとかしなければいけないという気持ちが湧いてきたのです。

 

コロナ後遺症は、全身倦怠感、呼吸困難感、気分の落ち込み、思考力や集中力の低下、咳や痰、味覚・嗅覚障害、脱毛など、色々な症状が残るだけでなく、これらの症状がいくつも重なっている場合が少なくありません。コロナ感染時の重症度が軽症でも後遺症に悩む患者さんがいることが明らかになっています。

 

コロナ後遺症の病態についても分からない事が多く、確実な治療法も確立されていません。

採血などの一般的な検査を行っても異常がみつからず、周りの方から「なまけている」「さぼっている」と言われてしまい、仕事や家事ができない自分を責めて苦しんでいる方が本当に多いです。

コロナ感染から6か月経過しても約10-15%の方はコロナ後遺症が残っているという報告もあります。働けなくなる本人も苦しいですが、社会としても労働力が減ってしまうので、これから大きな問題になっていくでしょう。

 

コロナ後遺症と同様に慢性疲労で苦しんでいる方もたくさんいらっしゃいます。

「慢性疲労症候群という原因不明の病気の方は日本全国で約30万人にのぼると言わています。

この方々も気持ちは頑張ろうとしているのに身体の倦怠感が強くて動けず、「なまけている」「さぼっている」と周りの人達から言われて苦しんでいます。

  

「線維筋痛症」はあまり知られていませんが、とても多い病気です。身体のいたるところに痛みが出てくる原因不明の病気で、全国で200万人の方が苦しんでいます。鎮痛剤や抗うつ剤などが使われますが、ステロイドもよく処方されています。生命が脅かされることはありませんが、ずっとつらい日々が続くので、毎日憂鬱な気持ちで過ごしている患者さんも多いです。

 

「倦怠感」「慢性的な痛み」でお困りの方にお役に立てると思いますので、一度、ご相談ください。

 

 

実際の治療としては、高圧水素酸素治療(HBHOT)、AWG治療、西洋医学の薬、漢方薬などで治療を行っています。特に倦怠感の方にはとても手ごたえを感じています。

 

 

■高圧水素酸素治療(HBHOT:Hyperbaric Hydrogen and Oxygen Therapy)

 

当院で最も可能性を感じている治療で、他院のコロナ後遺症外来でも改善を認めなかった患者さんの倦怠感に治療効果が得られています。

この治療のポイントは「高圧酸素」「水素」です。

 

「高圧酸素」については、2022年7月にイスラエルの科学者が高圧酸素治療がコロナ後遺症に効果があると報告しました(Sci Rep. 2022 Jul 12;12(1):11252.)

この論文はランダム化比較試験(RCT)というエビデンスレベルの高い研究で、高圧酸素は脳灌流を改善させたり、脳微小構造を変化してコロナ後遺症から回復させるようです。

当院では詳細な血液検査を実施していますが、通常の血液検査ではコロナ後遺症に特徴的な異常はあまりないので、コロナ後遺症はこの論文で報告されている通り、脳血流の障害による症状も多いのでしょう。

線維筋痛症にも高圧酸素治療が効果的であることがわかっています。実は線維筋痛症もコロナ後遺症と同様に脳のSPECT画像の分析で、脳の血流障害であることが報告されています。

(PLoS One. 2015 May 26;10(5))

この2つの論文から、コロナ後遺症も線維筋痛症も脳の血流を改善させることが大きなポイントであることが読み取れます。

 

「水素」については、2021年にロシアの科学者から水素吸入がコロナ後遺症に効果があると発表されています。

https://doi.org/10.15829/1728-8800-2021-2986

そして、2022年2月にモスクワ、ロシアの国立臨床病院の院内にあるコロナ後遺症のリハビリセンターに水素吸入器(Suisonia)が採用されたようです。

当院でも水素発生量が1分間に1320mlに達する日本最高峰のヘリックスジャパンの水素吸入器(ハイセレベーター)を採用してコロナ後遺症の方に受けて頂いており、コロナ後遺症の方は少し症状が軽減したとおっしゃる方もいますが、まだ症状改善は十分とは言えません。

 

水素の効果を高めるには気圧がポイントになります。

気圧をかけて身体に浸透させていくことができれば、ヘンリーの法則で気体(水素や酸素)は溶媒に溶けやすくなります。つまり、高圧環境では水素と酸素が身体の中に入りやすくなるのです。

 

「高圧酸素」と「水素」を組み合わせた治療が「高圧水素酸素治療(HBHOT)」です。

※高圧水素酸素治療は、上記した高圧酸素と水素を組み合わせた新しい治療方法で当院とその共同研究者が開発いたしました。これをHBHOT(エイチビーホット)と称することといたしました。

 

HBHOTは、1.9気圧をかけながら酸素(50%)と水素(4%)を身体に入れますので、ヘンリーの法則により通常気圧よりも多くの酸素と水素が体内に入っていき、動脈酸素分圧は6.5倍となります。

さらに水素が高圧酸素で発生する悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカル)を選択的に消去しますので、高圧酸素の弱点をHBHOTはカバーすることができます。

 

また、コロナ後遺症の方の血液を観察しますと、赤血球がくっついてしまいドロドロな状態になっている方も多いですが、HBHOTはこの血液環境も改善させます。

HBHOTで赤血球がしっかりとバラバラになり、人間の99%を占める毛細血管を通れる状況にして、一つ一つの細胞に酸素を送り届けるようにすることもコロナ後遺症、慢性疲労症候群、線維筋痛症では大切なことだと考えています。

 

 

 

 

■AWG治療

 

AWG治療とは、2021年に理論物理学者の保江邦夫先生が初めて物理学的に作用機序を証明した医療機器です。人間の細胞の中の水である「結合水」の振動周波数に共鳴する微弱電流が流れ、バイオポラリトン(生体電荷偏極音響量子)が発生してコヒーレント共鳴が増幅する波動医学を応用しています。

私(小林)は保江邦夫先生と「量子医学の誕生(海鳴社)」で対談させていただきましたが、量子医学のメカニズムを理解することは非常に難解です。

物理学を専攻していない私達にはなかなかわかりづらいですね。

しかし、その使用方法は極めてシンプルで、約350種類のプログラムからご自身の症状に合わせたコードを選択してパットを身体に当てるだけです。

 

AWG治療には、

 ・強い倦怠感に対応するコード

 ・難治性頭痛に対応するコード

 ・めまいや抑うつに対応するコード

 ・ブレインフォグに対応するコード

など、様々な症状に対応するコードが準備されており、AWG治療はコロナ後遺症や慢性疲労、線維筋痛症にも有効だと考えられています。

当院では高圧水素酸素治療(HBHOT)を受けている90分間にAWG治療も併用して、コロナ後遺症からの回復をサポートしていきます。

*AWG治療のリスクと副作用について

AWG療法(Arbitrary Waveform Generator療法)には大きな副作用はみられないとされています。

ただし、次のような点に注意が必要です。
・心臓ペースメーカーやステントが入っている場合は治療できません。
・皮膚が過敏であったり、損傷や病変がある領域では治療できません。
・脳血管障害やてんかん発作の病歴をもつ方の頭部、お顔、首では治療できません。
・妊婦さんのお腹、腰仙部、骨盤領域では治療できません。
・感覚が損なわれている領域では治療できません。
・出血や血腫が起こりやすい状態にある部位では治療できません。
・急性の損傷や炎症のある部位では治療できません。
・肌の弱い方はかぶれる可能性があります。

 

 

 

 

 

 

■漢方薬、西洋医療の薬

 

症状に合わせた薬を処方していきます。

ただ、日本では混合診療が認められていませんので、高圧水素酸素治療(HBHOT)やAWG治療を受ける方は基本的に自費診療で対応させてただきます。

 

■総合ビタミン点滴(疲労回復点滴)

 

ビタミンB群(B1、B2、B5、B6、B12)、ビタミンCなどの総合ビタミン点滴でコロナ後遺症の倦怠感や慢性疲労の軽減をサポートいたします。特にビタミンB群は、体の神経の働きに深くかかわっています。栄養補給で用いるほか、ビタミン不足で生じる神経痛や筋肉痛、末梢神経炎(手足のしびれ)などに適応します。

 

 

■対象者
・新型コロナウイルスと診断されて、自宅待機明け2週間以上経過した方

・原因不明の慢性疲労で苦しんでいる方。

 

■診察

月、火、木、金曜日

13:00~16:00

※予約制の為、事前にお電話で予約をお取りください。

 

■費用

HBHOTやAWG治療などは保険適応外ですので、全ての診療(検査、治療、処方)は自費診療で対応しています。日本の法律上、同一病名に対する保険診療と自費診療を同時に行うことができませんので、予めご了承ください。

 

  ・初回相談料:無料

  ・高圧水素酸素治療(HBHOT)60分 12,000円

     *HBHOTの治療回数は5回から10回を目安と考えています。

     *HBHOTは下記に該当する方は受けることが出来ません。

         ・耳抜きが出来ない方。

         ・中耳炎や耳鳴りのある方など耳の疾患を持っている方。

         ・閉所恐怖症の方。

         ・風邪気味で鼻や耳がつまっている方。

  ・AWG治療 60分 5,500円

  ・総合ビタミン点滴(疲労回復点滴) 30分 3,000円

  ・薬 自費診療  

 

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