2026.06.01 慢性疲労症候群
疲れが取れない本当の理由は「ミトコンドリア」にあるかもしれない
疲れが取れない本当の理由は
「ミトコンドリア」にあるかもしれない
本コラムは医療情報の提供を目的としたものであり、特定の治療効果を保証するものではありません。症状や体質には個人差があります。治療の適否については、必ず医師にご相談ください。
「ちゃんと寝ているのに、なぜ疲れが取れないのか」
「休日に何もしていないのに、だるい」
「昔はすぐ回復したのに、最近は疲れが蓄積する一方」
このような訴えを、外来で聞くことがあります。
血液検査をしても異常なし。甲状腺も問題なし。それでも体がだるく、重い。
こうした「原因がはっきりしない慢性的な疲労感」について、細胞の中にあるミトコンドリアとの関連が研究者の間で注目されています。
ミトコンドリアとは何か
ミトコンドリアは、体のすべての細胞に存在する小さな器官です。その主な役割はエネルギー(ATP)を産生することです。
私たちが食事から得た栄養素は、ミトコンドリアの働きによってATPというエネルギーの形に変換されます。このエネルギー産生がうまく機能しないと、体全体の活動に影響が出ると考えられています。
40代以降に「昔より回復が遅くなった」と感じる方が多いのは、加齢とともにミトコンドリアの数や質が変化することが一因とされています(個人差があります)。
また、自律神経の乱れが血流に影響し、細胞への酸素・栄養供給が変化することも、疲労感と関連すると考えられています。
水素と慢性疲労に関する研究について
近年、分子状水素(H₂)と慢性疲労の関係について、複数の研究報告が出ています。水素は非常に小さな分子であるため、細胞膜を通過しやすいという特性があります。また、特定の活性酸素(ヒドロキシラジカル)を選択的に除去することが、2007年のNature Medicine誌掲載論文で報告されています。
Frontiers in Medicine(2026年)に掲載されたレビューでは、水素がミトコンドリアの修復応答に関与する可能性や、自律神経バランス(HRV)への影響の可能性について言及されています。
Scientific Reports(2026年、昭和医科大学等)に掲載された研究では、水素吸入後に前頭葉の血流パターンと自律神経指標に一時的な変化が観察されたと報告されています。研究は健康な成人女性を対象としたものです。
※ これらはいずれも研究段階の知見であり、すべての方に同様の効果があるとは限りません。臨床的な治療効果を証明するものではありません。
当院の水素吸入療法について
当院では水素吸入療法を自費診療として提供しています。
費用の目安(自由診療・保険適用外)
- 水素吸入(50分):2,000円(税込)
- カニューレ代:別途500円(税込)
- まれに頭痛、倦怠感、眠気を感じる方がいます
- 妊娠中の方、重篤な疾患をお持ちの方は事前にご相談ください
- 効果には個人差があります
- 本療法は保険適用外(自由診療)です
- 医薬品や既存の治療の代替となるものではありません
このような方はご相談ください
- 休んでも疲れが取れない感じが続いている
- 朝から体が重いと感じることが多い
- 更年期以降、回復に時間がかかるようになった
- 自律神経の状態が気になる
- 検査では異常がないのに体調がすぐれない
※ 上記はあくまで参考であり、受診の適否については医師にご相談ください。
「検査で異常はないけれど、なんとなく体が重い」
そのような状態に対して、水素吸入療法という選択肢があることをご紹介しました。
効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありませんが、
ご関心のある方はお気軽にご相談ください。
Ohsawa et al., “Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals”, Nature Medicine, 2007.
“Molecular hydrogen as a treatment for ME/CFS: a mini-review of clinical evidence and mechanistic rationale”, Frontiers in Medicine, 2026.
Moriya et al., “Hydrogen inhalation is associated with a transient rightward shift in prefrontal oxyhemoglobin asymmetry and autonomic modulation”, Scientific Reports, Showa Medical University, 2026.
