2025.08.17 線維筋痛症
線維筋痛症は脳の病気かもしれない?血流と免疫の最新データ
こんにちは。岡崎ゆうあいクリニック院長の小林まさのりです。今回は「線維筋痛症と脳血流の関係」について最新の研究成果も交えてお話ししたいと思います。

線維筋痛症という病気は、体の広い部分に強い痛みを感じたり、疲れやすかったり、夜にぐっすり眠れなかったり、さらには頭がぼんやりするような「脳の霧(ブレインフォグ)」と呼ばれる症状を伴うことがあります。まるで体も心もずっと重だるさにとらわれているような状態で、日常生活に大きな支障をきたす病気です。日本でも患者数は増えており、推計で人口の約2%、つまり100人に2人ほどがこの病気に悩んでいるといわれています。
近年の研究では、線維筋痛症は単に「体の筋肉や関節の痛み」ではなく、「脳の働きの変化」が大きく関わっていることがわかってきました。特に注目されているのが「脳血流」、つまり脳の中を流れる血液の量やその変化です。脳に流れる血液は、酸素や栄養を運ぶだけでなく、神経細胞の働き方そのものを左右します。そのため、血流の異常があれば、痛みを強く感じたり、感情が不安定になったり、集中力が落ちたりすることにつながってしまうのです。
ある海外の研究では、線維筋痛症の患者さんでは痛みを処理する脳の部分では血流が増えやすく、反対に感情をコントロールする部分では血流が減る傾向が報告されました。つまり、脳の中で血の流れ方がアンバランスになり、その結果として痛みが増幅されたり、不安や気分の落ち込みにつながったりする可能性があるのです。
また、別の研究では、線維筋痛症の方は脳の血流のリズムが単調になりやすく、いわば「ゆらぎ」が乏しい状態にあることが示されました。人間の体は本来、小さなリズムの変化を繰り返すことで健康を保っています。脳の血流のゆらぎが少なくなると、ストレスに弱くなったり、痛みや疲労に対して柔軟に対応できなくなったりしてしまうのではないかと考えられています。
これは自律神経のゆらぎと線維筋痛症の脳血流と密接に関係しているかもしれません。
さらに、トルコの研究グループは脳に血液を送る血管の太さや流れを測定し、健常な方と大きな差はないものの、症状の強さとは強く結びついていることを明らかにしました。つまり、血流そのものよりも、その血流と脳の反応のしかたが、患者さんの症状に大きな影響を与えている可能性があるのです。
ここで、最新の海外の研究成果を一つご紹介します。2025年にアメリカから報告された論文では、免疫を少しだけ刺激する物質(LPS)を使い、線維筋痛症の患者さんと健康な方の脳や血液の変化を比較しました。研究の方法はとてもシンプルで、最初に血液検査と脳の画像をとり、その後LPSを注射してから2時間後にもう一度検査を行うというものです。
その結果、線維筋痛症の患者さんでは脳の温度が約0.6度上昇していることがわかりました。特に右の視床と呼ばれる部分で変化が大きく、脳の中で炎症のような反応が強く起こっていることが示唆されました。また、血液では食欲や代謝に関係するホルモン「レプチン」が異常に上昇し、健康な方には見られない反応が確認されました。レプチンは脳に入ると神経の免疫細胞であるミクログリアを刺激することが知られており、この結果は線維筋痛症の脳が免疫反応に対して過敏に反応する可能性を示す重要な手がかりとなりました。[2025. Brain Behav Immun Health]
この研究から見えてくるのは、線維筋痛症が単なる「痛みの病気」ではなく、「脳の血流」と「免疫の過敏さ」とが深く結びついた病気であるということです。ほんの少しの刺激でも脳が反応しすぎてしまい、それが痛みや疲労感、集中力の低下、さらには気分の落ち込みにつながってしまうのかもしれません。今後は、脳の炎症を落ち着かせる治療や、ホルモンのバランスを整えるアプローチが新しい治療法として注目される可能性があります。
当院では、
脳の炎症や血流を改善させるために、当院で行っている高気圧水素酸素をお勧めします。
また、自律神経や脳波が線維筋痛症を引き起こしている心のストレスを解明する手掛かりとなりますので、ぜひ、自律神経脳波カウンセリングを受けてみて下さい。
線維筋痛症でお悩みの方、またはご家族が心配されている方は、どうぞ一人で抱え込まずに、岡崎ゆうあいクリニックにご相談ください。
